音楽の都、ウィーンに生まれる。幼少のころより、ピアノとオルガンを学び、その後チェロに転向する。チェロをポール・トルトゥリエ、指揮をハンス・スワロフスキーに師事する。ウィーン交響楽団の首席チェロ奏者として活躍する傍ら、ソリストとして、多くのオーケストラとの共演、リサイタルのほか、歌曲の夕べなどでのピアノ伴奏者、教会音楽家としても活躍した。
1986年、ウィーン・ムジーク・フェラインザールで、急遽、ウィーン交響楽団の指揮を執ることになる。演奏会は大成功をおさめ、指揮者として輝かしいデビューを飾り、以来、本格的な指揮活動を開始する。
1900年より5年間、カール・ミュンヒンガーの後を継ぎ、シュトゥットガルト室内管弦楽団の首席指揮者を務め、同管弦楽団を国際的に飛躍させた。1992年には、リンツ国立歌劇場の音楽監督およびリンツ・ブルックナー管弦楽団の首席指揮者に就任し、その8年の在任中、ドイツ、イギリス、イタリア、オランダ、日本、中国にツアーを行い、数々のCD録音も行った。その間ジークハルトが指揮した曲目は、バロックから現代音楽まで、多岐に亘るが、とりわけブルックナーの作品集の解釈に関しては、専門誌などでも絶賛された。またリンツ国立歌劇場では、とりわけモーツァルト・チクルスに力を注ぐ。その最高の成果がCD録音された「後宮からの逃走」(アルテ・ノヴァ)であり、国際的な評価を獲得した。2002年~06年、ラインスベルク・モーツァルト・オペラ・フェスティバルの芸術監督を務める。またライプツィヒ歌劇場では、伝説的な1995年のルート・ベルクハウス演出の「こうもり」を指揮をする。
現在もウィーン交響楽団を定期的に指揮するほか、ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団、フィルハーモニア管弦楽団、NDR北ドイツ放送交響楽団、ベルリン・ドイツ交響楽団、ウィーン放送交響楽団、WDR交響楽団(ケルン放送交響楽団)、ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団、イタリア国立放送交響楽団、スロヴァキア・フィルハーモニー、ハーグ・レジデンティ管弦楽団、東京交響楽団、日本フィルハーモニー交響楽団などのオーケストラを指揮する。さらに、ウィーン祝祭週間、プラハの春音楽祭、ブレゲンツ祝祭音楽祭、白鳥の湖音楽祭、カリント夏の音楽祭など各地の音楽祭にも数多く出演する。
2003年、オランダ・アーネム・フィルハーモニー管弦楽団首席指揮者、2009年より、名誉指揮者の地位にある。この間、EXTONレーベル(オクタヴィア・レコード)より、シューベルト、マーラー、ブラームスなどのCDをリリース、日本のみならず、欧州でも、高い評価を得る。(PCM)
ユリアンナ・アヴデーエワ
2010年ショパン国際コンクールの覇者。アルゲリッチ以来45年ぶりの女性優勝者として脚光を浴びる。
モスクワ生まれ。グネーシン特別音楽学校を経て、2003年よりチューリッヒ芸術大学(スイス)にてシチェルバコフに師事。並行してモスクワ・グネーシン音楽院のトロップのもとでも学んだ。2008年に両校を卒業後、W.G.ナボレ主催のコモ湖国際ピアノ・アカデミーにて、バシュキロフ、ベルマン、フー・ツォンらの薫陶を受けた。
これまで、ギルバート指揮NYフィル、デュトワ指揮NHK響、ブロムシュテット指揮チェコ・フィル、ホーネックおよびペトレンコ指揮フィンランド放送響、ブリュッヘン指揮18世紀オケのほか、ロンドン・フィル、ベルリン放送響、ローマ・サンタチェチーリア管等と共演。
録音では、東日本を支援するため、2011年秋にチャリティCD『ショパン:ソナタ第2番「葬送」/英雄&幻想ポロネーズ』(KAJIMOTO)、2013年にブリュッヘン指揮18世紀オケとの『ショパン:ピアノ協奏曲第1・2番』(NIFC)をリリース。最新盤は、MIRAREレーベルからシューベルト、プロコフィエフ、ショパンのCDを発売中。